絵を描くときの心

絵を描くときにバランスがうまくとれない理由は、単なる技術や知識の問題ではなく、心の持ち方が大きく影響しています。

だから、本や動画で描くための知識や技術を学習するだけでは上達しないのです。

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自分の心が邪魔をする

私たちは、自分の間違いを認めたり直視するのが苦手です。長い時間をかけて、一生懸命、丁寧に描いた作品の間違いを見つけ、消して直す必要があると、ガッカリしてしまいます。

すでに注いだ時間や労力を失いたくない、という思いが、客観的に見直す邪魔をして、間違いをそのままにしてしまうのです。

絵を描くときのサンクコスト効果

2時間も3時間もかけて描いた作品で明らかな間違いを見つけたとき、今まで描き、積み重ねた部分を守りたい気持ちから、ミスを見逃そうとしたり、修正を後回しにすることがよくあります。

これは、「すでに使ったお金や時間がもったいない」と感じる、行動経済学でいうサンクコスト効果と同じです。

心を理解して、対策を講じる

絵のバランスを整えるためには、技術を磨くだけではなく、そのような心理と向き合う勇気が必要です。

間違いを素直に認め、改善することで、次第に客観的に作品を見直せるようになります。

また、描きはじめの早い段階で確認をしたり、頻繁に絵を離れたところから見るようにするなど、具体的な工夫をすることも効果的です。

第三者に見てもらおう

初心者は第三者に見てもらうのが一番効果的です。はじめから一人で、客観的に自分の間違いに向き合うのは難しいからです。

また、見せる人は経験者にしましょう。ただ間違っていることを指摘されるだけだとただただ落ち込むことになります。

指導の経験が豊富で、どこが間違っているのか、なぜその間違いが起こったのか、どのようにすれば改善できるのか、きちんとアドバイスができる人に聞きましょう。

この記事を書いた人

美術指導歴は約20年。

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