【正確な線を描く練習|ワイングラスを描く理由】

デッサンを学ぶとき、まず大切なのは「観察力」です。

観察力がないと、見て描くにしても、イメージを描くにしても、造形をするにしても、自分の作品の良いところ・悪いところがわからないと、作品を改善することができません。

だから、初心者はまず「観察の仕方」を学び、自分が何を見ているのかを理解する必要があります。

その上で、道具の使い方や描き方の手順を身につけていくことで、確実に上達していきます。

目次

なぜワイングラスがバランスを合わせる練習に最適なのか

ワイングラスは、シンプルに3つのパーツに分けて、バランスの確認をしやすいからです。

また、左右対称でシンプルな形をしているため、左右の比較をしながらバランスを整える練習にも非常に適しています。

このように、「パーツごとに比較する」「左右を比較する」——見比べる=比較することがデッサンの基本です。

見比べができるようになると、一気に上達します。まず最初に身につけてほしいのは、比較する技術です。

そのために、ワイングラスをモチーフに選びました。

ワイングラスを描くときのポイント

1. 形を3つに分けて観察できる

ワイングラスは、容器の部分・柱の部分・土台の部分と、3つのパーツにシンプルに分けて観察ができます。このため、見比べる練習に適しているのです。

2. 左右対称の中に潜む“ズレ”に気づける

ワイングラスはほぼ左右対称ですが、右と左の違いをよく観察して、丁寧に合わせる練習が必要です。左右の違いに気づけることで、観察力が格段に向上します。

3. 輪郭線だけを描く

影や質感を描くのではなく、輪郭線のバランスを合わせることが重要です。観察する要素や表現の幅を狭くすることで、描くべきポイントが明確になります。

練習の目的は「バランスを合わせる力」をつけること

ワイングラスを描くときの最大の目的は、バランスを合わせることです。そのため、明暗やガラスの質感表現は必須ではありません。まずは、輪郭だけを正確に捉えることに集中します。

早く描けた場合には、質感や反射を描き込むこともありますが、バランスを合わせることが最優先です。

生徒さんの作品紹介

同じものを見て描いても、これだけのバリエーションが出てきます。

それは正確に描けていないから、と言うことでもありますが、見え方や感じ方の違いが現れていると言うこともできます。

人はそれぞれ自分の視点があり、感じ方があります。その人が見たこと、感じたことが作品に現れます。

デッサンクラスでは、こうした観察と感覚のバランスを意識した練習を重ねて、基礎力を養いながら、その人らしい描き方を育てていきます。

まずは気軽に、体験から

デッサンに興味がある方、「自分にもできるかな」と不安な方も、まずは気軽に体験してみてください。

初心者の方も、ブランクがある方も歓迎です。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

美術指導歴は約20年。

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