デッサンクラスとフリースタイルクラス

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クラスの内容について

万象舎には「デッサンクラス」と「フリースタイルクラス」があります。

デッサンクラスは私が組んだプログラムに沿って、観察力を身につけるための訓練をするクラスです。一方のフリースタイルクラスは、生徒自身が作りたいものを自由に決めて制作するクラスとなっています。

私は、基礎力を高めるために必要な訓練も、自分の意思で作りたいものを自由に制作することも、どちらも大切なことだと考えています。本当は、この二つを厳密に分ける必要はなく、生徒一人ひとりがその日の気分や成長の段階に応じて、自分に合った方を自由に選んでいくのが理想的だと思っています。

クラスを分けた理由

とはいえ、幼児や低学年の子どもたちが自由に楽しく制作している隣で、集中してデッサンしづらいと感じる人もいると思います。そのため、便宜上、「デッサンクラス」と「フリースタイルクラス」という大きな枠を設けることにしました。

子ども向けのデッサンクラスにおいては、90分間ずっとデッサンだけに集中できる子は少ないため、最初の30分〜1時間ほどデッサンに取り組んだ後は、各自が好きな制作をする時間を設けています。逆にフリースタイルクラスでも、基本的には自由制作を中心にしつつも、生徒の成長や興味に応じて、時々デッサンを取り入れる方が効果的だと考えています。

万象舎が目指すこと

私の教室の目的は、自由に作品を作り、創造性を発揮してもらうことです。そのためには「デッサン」が欠かせないと考えています。

デッサンというと、多くの人は「写真のように上手く描く技術」だと誤解していますが、本来はそうではありません。デッサンは「観察」の訓練です。ここでの観察とは、ただ漠然とものを見るのではなく、自分自身が感じたり、考えたりしながら深く見つめることを指します。つまり、自分の感覚を通して情報を取り入れ、自分の頭で考えて新しいものを生み出す、その基礎となるものがデッサンなのです。

現代アートとデッサンの関係

現代アートなどのコンセプトを中心とした美術では、デッサンは不要だと思う人もいるかもしれません。しかし私は、コンセプチュアルな美術をする上でもデッサンは重要だと思っています。

なぜなら、頭だけで考えているだけでは独自性のある表現は生まれないからです。情報を集めるだけでは二次情報に過ぎず、誰かと似たような作品になってしまいます。何かを組み合わせて新しいものを作る場合にも、その判断基準は自分自身の感覚に委ねられます。つまり、自分の感覚を磨くためには観察が不可欠で、その観察力を養うデッサンがとても重要なのです。だからこそ私はデッサンをおすすめしています。

子どもに対するデッサンの適性

デッサンは3次元を2次元に置き換える表現であり、ある程度の知的な能力が求められます。論理的な思考が十分に発達していない子どもにとっては、少し難しい場合があります。

特に低学年の子どもは、描く際に考えることに意識が向き過ぎてしまうと、感覚的な部分がうまく働かなくなります。そのため、私は低学年の子どもにはあまりデッサンを推奨していません。しかし、中には観察や描くことが好きで得意な子どももいます。そうしたタイプの子どもであれば、低学年でもデッサンを楽しめるでしょう。

この記事を書いた人

美術指導歴は約20年。

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